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【高瀬舟】~森鴎外から学ぶ~4
「夜舟で寢ることは、罪人にも許されてゐるのに、喜助は横にならうともせず、雲の濃淡に從つて、光の増したり減じたりする月を仰いで、默つてゐる。其額は晴やかで目には微かなかがやきがある。
庄兵衞はまともには見てゐぬが、始終喜助の顏から目を離さずにゐる。そして不思議だ、不思議だと、心の内で繰り返してゐる。それは喜助の顏が縱から見ても、横から見ても、いかにも樂しさうで、若し役人に對する氣兼がなかつたなら、口笛を吹きはじめるとか、鼻歌を歌ひ出すとかしさうに思はれたからである。」
今回は前回に引き続き、この部分について考えます。
この部分で、喜助からは以下のような様子が読み取れます。
・横になろうとせず、月を見上げて黙っている
・表情は晴れやかで目には輝きがある
・楽しそうで、口笛を吹いたり鼻歌を歌い出したりしそうである
このような喜助の様子に対して、庄兵衞はとても不思議だと感じています。
喜助は罪人であるのに、なぜ口笛を吹いたり歌い出したりしそうに見えるほど、楽しそうな様子なのか。また、なぜ晴れやかで目に輝きがあるのか。このような喜助の様子に着目して読み進めることで、この作品への理解がより深まると思います。
ぜひ考えながら読んでみてください。
引用:青空文庫・「高瀬舟」森鷗外https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/691_15352.html




